これから注文住宅、建売住宅を購入する方にとっては、家は夏は涼しく、冬は暖かい家が良いですよね!
住宅展示場でよく見るのが、全室床暖房で真冬でも素足で過ごせるとか、屋根に何十cmもの断熱材が含まれているから真夏の輻射熱を抑えることが出来るとか沢山宣伝してくれます!
でも実際家を建てるとなると、高気密高断熱仕様の高性能な家を必ずしも建てられるとは限りません。予算など色々理由があって建売など普通の家を購入する方々は大半だと思います。
では実際普通の家はどの程度の温度になるのか、真冬の温度を外気温と室内気温の両方を測定してみたので紹介したいと思います!
戸建ての家って冬は寒いのか??
戸建て住宅ってマンションよりずっと寒いというのは戸建てを購入しようと思っている方は恐らくご存じだと思います!鉄筋コンクリートの建物自体は木造より熱伝導率が高いので寒さも伝わりやすいのですが、マンションは大きな構造体なので熱を保ちやすい為ですね。
戸建てとしては経済産業省が「2020年までにハウスメーカー等の建築する注文戸建住宅の過半数でZEHを実現する」という政府目標を掲げています。
ZEH(ゼッチ)(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)とは、「外皮の断熱性能等を大幅に向上させるとともに、高効率な設備システムの導入により、室内環境の質を維持しつつ大幅な省エネルギーを実現した上で、再生可能エネルギーを導入することにより、年間の一次エネルギー消費量の収支がゼロとすることを目指した住宅」ということですが、高気密高断熱で太陽光システム、オール電化など、ZEH仕様にするとトータルで普通の住宅の300万程度増額になるかと思います。
高気密高断熱仕様やZEH仕様の家は車で言えばハイブリッド車!
注文住宅を建てようと考える人が一度は夢を見るのが高気密高断熱仕様やZEH仕様の家です!
「エアコン1台で家全体が暖かくなります!」
「床暖房でゆっくりあたためるので真冬でも快適です!」
「ZEH仕様なら太陽光の売電や補助で増額分は実質タダみたいなものです!」
色々なセールストークが魅力的に響くんですよね!
でもね、これらの仕様は車で言えばハイブリッド車みたいなものなんです。
ハイブリッド車は購入価格が普通車より40万ほど高い代わりにガソリンの消費量が少ない為、燃費はよくなります。40万ほどの差額は燃費が良い分取り戻せるかというと実は15万キロ程を走らないとプラスマイナスゼロにならないのです。週末に乗る程度の人達では20年乗り続けてやっと走る距離くらいかな。
20年も経てばバッテリーの寿命があるので、バッテリー交換費用で数十万。
そう。ハイブリッド車はガソリン代が安くなる魔法の車ではないのです!相太的にはハイブリッド車の一番の魅力はモーター出力によるトルク増となり、加速力が上がる為に乗りやすくなる事だと思うんです!
高気密高断熱仕様やZEH仕様も同様で、最初の300万増額分を取り戻すのはかなり難しいのです。補助金などでいくらか戻ってきて計算上はお得に見えても、太陽光やエネファームなどが故障した場合のメンテ費用、使えなくなった場合の撤去費用は見積もられていないはずです。数年前は補助金も太陽光の売電価格も高かったのでお得感があったのですが、これから家を購入される方は損得で考えると難しいと思います。
ハイブリッド車と同様に、高気密高断熱仕様やZEH仕様の家は金額面でお得な家というより、複数設備を利用した住み心地がよい家という方がしっくりくると思います。
建築費用をかけて一年中快適な家で光熱費を抑えて過ごすか、ローコスト住宅で光熱費をかけて過ごすか。どちらが正解というのは無いと思っています。
前置きがだいぶ長くなりましたが、我が家はローコスト住宅でも良い設備が備わっているとはいえ、第3種換気で床暖房も無いような、いたって普通な仕様の家です。
そんな家は果たして寒い家なのかを結果発表します!
我が家の住宅仕様について
まず家の仕様を紹介しないと条件が判らないですよね。(^_^;)
下記のような家になります!
【我が家のLDKの仕様】
- 17畳のLDK
- 天井は最大で2660mm
- リビング階段や吹き抜けは無し
- 第3種換気
- 断熱材はセルロースファイバー
- 23×150cmの窓が2枚(サーモス2H)
- 116×50cmの窓が1枚(サーモス2H)
- 116×23cmの窓が1枚(サーモス2H)
- 162×200cmの引き違い窓が1枚(サーモス2H)
- 57×200cmの勝手口ドア(サーモス2H)
セルロースファイバーの断熱材は高級な商品ですが、断熱性能は0.040[W/(m・K)]で建売などでも使用する高性能グラスウールと同レベルなので実際保温性としては普通な部類だと思います。
(セルロースファイバーは断熱性能より、施工方法や他の部分の良さがある物です)
サーモスⅡ-Hはアルミ樹脂複合サッシでLow-Eペアガラスなのでローコスト住宅の中ではスペックは高めですが、販売されている窓自体の性能としては中級クラスのものになります。
真冬の室内・室外の温度測定結果発表!
さてさて、散々引き伸ばしましたが我が家のLDKの真冬の温度を紹介したいと思います!
測定条件としては、神奈川県横浜市の家で、約0時頃の就寝前では部屋の温度を20度前後である事。その後エアコンなどを使用せず約6時間後に起床したときの室内外温度記録になります!
11月上旬の朝6時の室内外の温度
天気予報 晴れ
天気予報の最低気温 10℃
天気予報の最高気温 21.1℃
【リビングの温度測定結果】
室内:18.3℃
屋外:7.8℃
朝6時の室内温度は18.3℃でした。天気予報では最低気温10℃の予報でしたが、我が家は2℃ほど低かったようです。
11月上旬は日中で日光が出ているときだと部屋の温度は25℃くらいまで上がります。エアコンを使わなくても夜でも室内は22℃程度で過ごすことが出来ていました。
11月下旬①の朝6時の室内外の温度
天気予報 晴れ
天気予報の最低気温 5.3℃
天気予報の最高気温 12.2℃
【リビングの温度測定結果】
室内:15.2℃
屋外:4.2℃
この日は11月でも寒い日で、12月くらいの気温でした(^_^;) 前日の夜は流石にエアコンで室内温度を20℃くらいにしていましたね。
11月下旬②の朝6時の室内外の温度
天気予報 晴れのち雨
天気予報の最低気温 4.1℃
天気予報の最高気温 12.4℃
【リビングの温度測定結果】
室内:16.0℃
屋外:1.4℃
外気温が天気予報より3℃近く低い!この日の最低気温は東京では3℃以下だった所もあり、実際家の周りでは霜がおりてました。天気予報との温度差については、もしかしたらサイディングの外壁が温度計のセンサーに近い位置にある為かもしれません。気温より路面や壁の温度が低いことはよくある事です。
11月の前の測定結果より屋外は寒いのに室内温度が高かったのは少し寝る時間が遅く、1時位に就寝した為だと思います。
1月中旬の朝6時の室内外の温度(一番の最低気温!)
天気予報 晴れ
天気予報の最低気温 -1.2℃
天気予報の最高気温 6.1℃
【リビングの温度測定結果】
室内:12.1℃
屋外:-5.1℃
この日は本当寒かった!天気予報では-1.2℃との事でしたが、それ以上に体感温度は低かった気がしました・・・。
流石に室内温度は12℃と低いのですが、以前アパートに住んでいた時は屋外がマイナスの気温の時は室内は6℃とかでした(笑) それを考えれば十分暖かいかな~(笑)
まとめ
室内と屋外の温度を測定して判ったのですが、外と中の温度差は大体が10℃程度になることが判りました。また、家自体が発熱するわけではないので、エアコンを付けていたリビング等は外気温がマイナスでも10℃以下になる事は無いのですが、2階で前日に人がいなかったような部屋では熱源が無かった為に流石にリビングより3℃以上低くなっていた事もありました。
高気密高断熱仕様などの家であればもう少し室内温度は高いかもしれません。でも、おそらく100万以上かけて設備投資し、第一種換気の家などにしてもメンテ費用など考えると、金額面では割に合うのかは微妙な所です。勿論第三種換気の普通の家より暖かいのは間違いないとは思いますよ!
シンプルな第三種換気の普通の家でも正しく断熱材を施工し、窓もアルミ樹脂複合サッシ位のものを使用していればあればある程度は寒くない家になるんだなと実感しました。
実際本当に寒くない家にするのであれば、窓を極力少なくし、窓にはハニカムスクリーンなどにすればいい訳と思うので、ぶっちゃけ間取り次第で家の室内温度はある程度コントロールできると思うんですよね。
その辺り、予算と考え方次第かもしれません。
コメント
こんにちは!ハイブリッド車のたとえはわかりやすいですね。
セルロースファイバーは、数値上の性能はともかく、あのパンパンに入れてくれる施工の満足度や安心感が魅力ですよね。
外気温と常に比較できるのはいいですね~。ちなみに、我が家も一階リビングに比べて、二階は2〜3度低いようです。
まっしんはやぶささん
ありがとうございます!セルロースは施工上グラスウールより断熱欠損になりにくいですし、
吸音は効果があると思ってます!家の中で室外の音が聞こえにくいと思いますし。
外気温も同時に測れるのは第三種換気のおかげかなと思ってたりします(笑)
窓に面した部屋なら簡単に温度計を設置できるのが嬉しいです!